コア技術 機能設計

長年蓄積・深化された共通基盤技術をベースに、高度に洗練された材料技術、材料技術を融合しさらなる高機能化を達成する機能設計、安定的に高品質な製品生産を可能にする生産技術をコア技術として保有しています。またお客様の期待に応える取り組み、素材利用の提案を通じて培った、各種素材を部材に組み上げる部材設計の技術も保有しており、素材の機能を極限まで引き出します。

表面機能設計

ガラスや樹脂フィルム表面に、精密に制御された薄膜や構造を形成することで、様々な表面機能を持たせることができます。こうした製品の一例として、赤外線を反射して室内の冷房負荷を下げる熱線反射ガラスが挙げられます。赤外線を反射するのは金属薄膜ですが、金属薄膜の形成だけではその機能を十分に果たすことはできません。ガラスに必要な透明性や耐久性を維持する、誘電体の積層などが必要なのです。最近では、5G電波を屋外から屋内に通しやすくする、ガラスメタサーフェスレンズなどの例もあり、これは薄膜に構造を持たせることで実現しています。表面機能設計技術により、材料やその組み合わせだけでなく、表面に新たな機能が付与できることから、戦略分野であるエレクトロニクス、モビリティ分野への適用が期待されています。

メタサーフェスレンズ
メタサーフェスレンズ

電気化学

AGCでは、70年以上にもわたって蓄積してきた電気化学技術をベースに食塩電解事業を展開し、近年では燃料電池や二次電池、電気分解セルといった電気化学製品に必要な材料の開発を進めています。有機材料や無機材料など幅広い材料領域で、分子設計技術、結晶構造解析技術、マテリアルズ・インフォマティクス技術を中心に、電解質・電極材料の設計・合成・解析や、膜設計・成形技術開発に取り組んでいます。また、電池評価技術、電解評価技術を深化させることで、より実用的な視点での材料開発に努めています。こうした材料開発を通じて、現在及び将来のエネルギー・気候変動・環境問題の解決に貢献することを目指しています。

水素ステーション(イメージ)

異種材料複合化

お客様の求める機能の高度化、複雑化に伴い、単一の材料ではなく、複数の異種材料を複合化する技術の重要度が高まっています。AGCでは、ガラスとセラミックス、金属、樹脂などの異種材料を混錬、分散、配合、接合・貼合する高度な複合化技術を保有しています。環境規制に対応した複合材料設計と独自の製造プロセスを組み合わせることで、耐久性や生産性などの困難な課題を克服し、次世代の高速通信用材料・部材や、車載ディスプレイ用カバーガラス、次世代複層ガラスなどへの展開を図っています。

複雑形状の車載ディスプレイ用カバーガラス
複雑形状の車載ディスプレイ用
カバーガラス

回路・アンテナ設計

AGCのガラスアンテナ開発の歴史は長く、自動車に搭載されたAM/FMラジオの受信用アンテナをリアガラスに搭載する商品開発から始まり、現在に至っています。今後5Gにより、「あらゆるモノ・人」がつながる世界がすぐそこまで来ています。5G通信に使われる電波は周波数が高いため、信号の「伝送損失が大きく」、ビルなどの裏に「回り込みにくい」うえ、「部材を透過しにくい」などの課題があります。こうした課題解決のために、低損失材、実装しやすさ、高意匠といったコンセプトのもと、通信の”窓”として最適なガラス開口部を使った透明ガラスアンテナや、設置場所を選ばないフレキシブルアンテナなどの技術開発を進めています。回路・アンテナ設計技術をベースに、次世代のモビリティやエレクトロニクスの分野に貢献する製品を提案していきます。

合成石英ガラスアンテナ
合成石英ガラスアンテナ
フレキシブルアンテナ
フレキシブルアンテナ