発明実績報奨制度

当社は、研究開発重視の基本方針のもと、優秀な職務発明に報いるため、従来より充実した発明実績報奨制度をもっています。 時代の変化に合わせて1999年に大きく制度改定を行い、2002年には報奨金の上限を撤廃する等、他社に先駆けて進んだ制度を構築しています。2004年5月28日に改正特許法が国会で成立し(2005年4月1日施行)、職務発明の取り扱いが大きく改正されたことを受け、さらに一層充実した制度とするために本制度の一部を2005 年に改正しました。

1. 職務発明とは

「従業員によりなされた発明であって、会社の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至った行為が、従業員の現在または過去の職務に属する発明」、として定義されています。すなわち社内で行われた発明は、そのほとんどが職務発明に該当します。

2. 当社の発明実績報奨制度

当社は、発明奨励のためのインセンティブと特許法への対応を目的としていち早く1999年に大改正し、2002年に報奨金の上限を撤廃するなどの改正を行ってきました。
当社制度では製品利益に対して特許・実用新案・意匠(以下、単に「特許等」とします)の貢献度が高い場合に、個々の特許等に対してその発明者を表彰し、報奨金を授与しています。
2005 年の改正特許法施行を機会に、報奨金の算定基準を見直し、合理性と納得性を向上させることを目指しました。

3. 報奨額算定基準

自社で実施して利益をあげる場合と他社にライセンスすることで収入を得る場合に分けて考えます。

自社実施の場合額算定基準

  • 個別特許権寄与率
    まず、当該製品に複数の特許があれば、それぞれの特許の貢献度合いに応じて利益を各特許に割り振ります。
  • 特許の排他度
    その特許が他社の参入をどの程度排除しているかの比率を決めます。法対応の面からは、この値を0~100%の間で定める必要がありますが、発明奨励のインセンティブの側面を重視して、原則100%とします。
  • 技術力の貢献度
    製品利益には、「資本力」、「営業力」、「技術力」の3要素が各々1/3づつ貢献しているという考え(3分説と呼ばれています)をもとに、「技術力」の貢献度を33%とします。
  • 特許の貢献度
    権利化された技術(特許)の貢献度を、状況に応じて5~10%の範囲で設定します。ちなみに権利化されない技術としては、ノウハウ、公知の技術などがあります。
  • 発明者の貢献度
    最後に、発明者貢献度を決めます。会社の貢献としては、その発明に関する研究テーマへの投資、過去からの技術の蓄積、事業化に至らなかった他のテーマへの投資、等があります。他社の例や判決例などを参考にして5%とします。

これらの貢献度を製品利益に掛けることによって対価が算出されますが、おおむね製品利益の0.1%になります。

ライセンスの場合

  • 個別特許権寄与率
    個別特許への割り振りの考え方は自社実施の場合と同じです。
  • 特許の排他度
    ライセンス料収入であるため、100%と考えます。
  • 技術力の貢献度
    営業力や資本力の貢献度は自社実施の場合より低いと考えられるので、50%とします。
  • 特許の貢献度
    ライセンス料収入であるため、100%と考えます。
  • 発明者の貢献度
    発明者の貢献度については、自社実施の場合と同じです。

4. 当社の社内手続き

  • 「協議」
    対価算定基準の策定に際して、全従業員との協議は物理的に不可能なので、社内イントラネットと社内報で説明し、広く意見を求めました。この後、寄せられた意見に対しては再び社内イントラネットと社内報で回答を行いました。また、それに先だって各場所(コーポレート開発部門、事業部開発部門、工場など)で延べ11回の説明会も開催しました。
  • 「開示」と「意見の聴取」
    対価算定基準については、継続的に社内のイントラネットや当社ホームページに開示していきます。また従業員等(退職者の方も含めて)の方で、報奨の結果に対して個別にご意見ご質問のある場合は、知的財産部に問い合わせれば個々に説明をしていくことにします。また、技術担当役員を委員長とし、人事部門長、コーポレート開発各部門長をはじめとするメンバーで構成される発明実績報奨評価委員会にて、客観性、公平性を持った査定を行うことにしています。

5. 今後の制度改定

2015 年7 月3 日に成立した改正特許法(2016 年4 月1 日施行)や社会情勢の変化 等を考慮して今後も必要な対応を行い、本制度の充実を図り、事業に貢献する優秀な発明を奨励していきます。